米澤復古會

五百機織いおはたおり

佐志め織物

機を織る音が響き渡る工房には、長年使いこまれてきた織機が整然と並んでいます。
全国有数の織物の産地である米沢は、これまで着物や帯から服地に至るまで、さまざまな種類の織物が織られてきましたが、かつては多くの機屋で正絹コート地が織られる、国内最大級のコート地の産地でもありました。いまや、ごく僅かとなりましたが、私どもは長きにわたりコート地を織り続けてまいりました。
極細の絹糸を経糸に約4000本も使用し、丹念かつ緻密に織られたコート地は驚くほど軽く、正倉院文様をはじめとする古典文様を織で表現することにより礼装用からおしゃれ用にまで幅広く、さらには織の組織に工夫を凝らし、晴雨兼用でお召しいただける、私どもの自信作です。
また、現在は織の技術を活かして、江戸時代の武家の裃に用いられた精緻な文様を織で表現した「五百機小紋」や、独自の変化に富んだ撚糸を使用し、絽や紗ではない織り方で、単衣の季節からお召しいただくことができる「なつきぬ」、 経糸に極細の絹糸を使用し、密度を込めて織り上げた、軽くて、しめやすい全通の袋帯など、新たなものづくりにも挑み続けています。
佐志め織物のはじまり

夫・佐藤定次郎が健康上の理由から、従来の呉服の商いを継続することが困難となってしまった折に、妻・佐藤志めが自らの家屋内ででき、また崇拝していた米沢藩中興の祖、上杉鷹山公が奨励された機織りを志しました。親戚であった機屋に機織りを習いに通い続け、大正13年に創業したのが始まりです。その後、昭和29年に、創業者、佐藤志めの名をとり、佐志め織物有限会社としました。創業者の志を受け継ぎ、米沢の織元として、お召しになる方に思いを馳せながら、いまも変わることなく、良質な絹糸にこだわり、着心地を大切にした丁寧なものづくりを続けてまいります。

五百機織とは

古来、織姫がたくさんの機を操り、織り上げられた色とりどりの美しい衣は五百機衣(いおはたごろも)とよばれ、多くの人々を魅了してきたという言い伝えがあります。 その五百機衣に思いを馳せ、私どもが心をこめた織物を五百機織と名付けました。
※五百機織は、佐志め織物の登録商標です。
店  名
五百機織 佐志め織物有限会社
住  所
〒992-0037
山形県米沢市本町2-1-9
TEL
Tel.0238-23-0788
取扱商品
五百機織の着尺・袋帯・コートなど